米国就活戦線はとても厳しいのか

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米国大学院でCS修士について書いてみる」という記事を読みました。

ただ米国就活戦線はとても厳しいので、対外的に参照可能な実績や就業経験、米国企業で働いてるリファレンスもらえる友人のあてとかはあった方が良いです。

米国の大手企業には世界中からアプリケーションが集まるので、普通はresume screeningを突破するのは至難の業です。

見る側も大変なので企業側もリファレンス前提で動いており、大手は従業員からリファレンスを管理するシステムすら作ってるところがあります。

米国一流大修士の日本人の方はリファレンスなしで100社応募して受かったのは2社といってました。

とありますが、他のエリアは知りませんが、サンフランシスコ・ベイエリアでは需要が供給を大きく上回っていますので、ここに書かれているほど難しくはありません。僕もリファレンスがなくても複数社から内定もらっていますから大丈夫です。

就職にあたって壁になるのはまず就労許可、次に技術力、そして英語力です。

就労許可はこの方の場合は3年STEMのOPTがあるので大丈夫でしょうが、小規模な会社だとOPTなにそれ知らない怖いみたいな態度もあります。OPTはH-1Bビザと違ってビザサポートもいらないし受け入れるのは簡単なはずだけど、よくわからないものに手を出さないのはアメリカでもあります。企業負担の面ではOPTは有利だけど、知名度的にH-1Bより劣る感じでしょうか。ここで若干のコミュニケーション能力が必要になります。自分は法的に問題なく数年働けることを相手に理解させることが求められます。OPTを知らないような会社は相手にしないこともできますが、会社自体はちゃんとしているのに、雇っているリクルーターの中には無知な人もいます。

つづいて技術力は大事ですが、それほど途方もない高い技術を求められているわけではありません。漠然とした感覚ですが、普段から好きでコンピュータをいじっている程度の人であれば割と大丈夫だと思います。逆に、大学の課題とかで必要に迫られない限りコンピュータは使わない人は厳しい傾向にあります。趣味で普段からコード書いていたらコーディングインタビューで聞かれる程度のことはスラスラ答えられますが、学校の課題しかしない(それも人に写させてもらったりした)人だと、簡単なループを書くのにももたつくことがありますから、これは採用側から見ると不安だと思います。

最後に英語力。僕も英語は片言なのであまり偉そうなことは言えませんが、日本のウェイ系とはまた別のコミュニケーション能力があれば大丈夫だと思います。つまり、理解できないことがあったら理解できるまで明確になるまできちんと確認してから作業に移ることです。空気を読むのではなく、ちゃんと言葉で対話するコミュニケーション能力があれば大丈夫だと思います。

さて、元エントリではresume screeningを突破とありますが、個人的な経験則では履歴書の段階ではねられることはありませんでした。たぶんこの方の聞いた体験談では、特に求められてもいないのに履歴書を一方的に送りつけるようなことを100社にしたところ、2社しか返事が来なかったということだと思います。それは普通に考えて相手されなくて当然です。

逆の立場になって考えると、LinkedInとかにプロフィールを載せておくと毎日何通もうちの採用試験を受けませんか的な連絡が来ます。どういうわけか会社のメールアドレスにも届くし電話もかかってくるし、かなりの数になります。それらに対していちいち丁寧に「この度はメールありがとうございます。しかし今は会社を移る予定はありませんので〜」と返事をすることは困難ですから、悪いなと思いつつも大半は無視することになります。企業側も同じで、そのポジションの人を探しているわけでもないのに履歴書を一方的に送りつけてきて、しかもそういう人がたくさんいたら、いちいち丁寧に返事をするわけがありません。

たぶんこの100社に送ったという人は日本の就活のスタイルの影響を受けすぎています。ポジションに空きがあるから、特定の技能を持った人を欲しているからというわけでもなく、毎年定期採用があって、それにみんなエントリーシートを送るというやり方が普通だと思っているのではないでしょうか。

アメリカ人でもこうしたやり方をする人もいるらしいので、必ずしも日本のやり方を引きずっているとも言えないのですが、人並みのことをしていたら人並みのリターンしか得られないのは当然で、人並みのリターンというのはそれほどハッピーなものではありません。

ではどうするのかと言うと、人を欲しがっている企業にフォーカスして応募することです。例えば投資を受けた会社は投資家からお金を有効に使うことを求められます。一番有効なお金の使い方とされているのは人を雇うことですから、シリーズDでいくら調達したとか、最近IPOしたとか、そうした会社に注目することも有効だと思います。投資を受けたタイミングでなくても、ある方面に事業拡大しようとしているという話があれば、新しい人材が必要になります。

「大手は従業員からリファレンスを管理するシステムすら作ってるところがあります」とありますが、これは本当でリファラルボーナス制度は多くの会社が持っています。誰か推薦して入社に至ると1万ドルもらえるということで、紹介する側に損はありません。個人的にはぜんぜん推薦できない人を推薦するのは抵抗がありますが、人によってはボーナス目的でどんどん推薦しちゃう人もいます(推薦した人が不採用になっても直接的なペナルティはない)。元エントリではこれをリファラルがなければ履歴書を見てもらえないようにとらえているフシがありますが、逆だと思います。ボーナスを支給してでもいい人材を欲しているという見方がより適切でしょう。

今の会社に入社して数年経ちますが、人を採用するのは大変なことです。いつも苦労して人員を探しています。推薦がなければ履歴書も見ないよってほどお高くとまっているわけではありませんが、さりとて誰でも受け入れるというわけにもいきません。一定の条件を満たす人材でないと採用はできませんから、普段から需要より供給が少ないと普段から感じているのです。