有名ではない外資系就職の勧め

広告

僕にとって外資系というと就職活動の超難関であり、花形のイメージがあった。

このイメージは時代とともに変わるらしく、その昔は外資系は馬鹿の行くところで、優秀な人は日本の企業に就職するものであったという。今はなきリーマン・ブラザーズの日本の代表はかつて友人たちが興銀とかに行く中、一人外資系に行くことを選び、頭が狂ったのではないかという扱いを受けたものの、2007年頃には当時の友人に正しい選択をしたと褒められたという話をしていた。その直後にリーマン・ブラザーズは倒産してしまうので、人生とは浮き沈みの激しいものだと思う。

ともあれ、僕が就職活動をしていた頃の「就活偏差値」とやらでは外資系は頂点に君臨していて、そこを目指す学生も意識高い系というか上昇志向の強い人が多かった。外資系就職サイトなんてのもいくつもあり人気があった。

ここで言う外資系は、少なくとも当時は、ゴールドマン・サックスとかマッキンゼーのようなものが多かった。ITはあまり人気がなかったように思う。IT系でもゴールドマンのバックオフィスを目指す人が周りでは多かった。Googleも今ほどは人気がなかったような気がする。Microsoftもあったはずだけど全然記憶にない(フェルミ推定の本があったような気がする)。AppleはiPhoneが出たばかりでまだ認知度は低かったと思う。

前置きは長くなったが、僕が就職活動をしていた頃と今の常識が同じかどうかはわからないが、外資系というと超難関で超人気というイメージがあった。ところが、すべての外資系が超人気というわけでもないことに最近気づいた。

僕はいまシリコンバレーのとある会社で働いている。その会社は決して大きい会社ではないが、世界各地に小さいながらオフィスがあり、現地社員を募集している。しかし、知名度が低い割に求める水準が高いことで採用は難航している。

求める水準が高いと言っても、ものすごい高いハードルを設けているわけでもない。ある程度の英語力とコードがちゃんと書けることが要件なのだけど、その基準でスクリーニングするとどういうわけか、東大卒とかばっかりになってしまって、ほら外資系はハードルが高いって思われてしまうかも知れない。

業務で求められる英語は、エンジニアの場合はそう高くない。例えば

I am taking down xxx server on on Thursday from 11 am to 12 pm.

Summary of changes

  1. A
  2. B
  3. C

この程度の業務メールができる程度でいいのである。

コードを書けるというのも、自分が得意な言語で簡単な探索が書ける程度でよい。5分以内に難解なDPを用いた解法をスラスラと書くような技能は求めていない。ただ、いろいろインタビューした経験から言うと、ループを書くのに何分もかける人も案外多く、普段からコードを書いていないんじゃないかなという印象がする場合はたぶん厳しいと思う。大学のプログラミング系の授業で、課題を友達に頼り切っていて、単位を取ったらすっぱり忘れたという人は向いていないと思うけど、趣味でコードを書いている人なら十分にクリアできる課題だと思う。

このくらいのことができると、新卒でどのくらいの給与が期待できるかというと、初年度で800万円くらいは出る。今働いている会社は1年目は給与は低く抑えられていて、アメリカの場合、2年目に大抵の新卒入社の人は$25,000昇給する。日本でも同じくらい昇給するのなら2年目には年収1,000万円を超えると思う。この会社は決して金払いのいい超大手というわけでもなく、日本での知名度は低い。大手の場合は毎年高級車を買えるくらいボーナスや株が付くらしい。ただし年収1,000万円を超えると税金もかなり高いけど。

いま働いている会社の日本支社がこのくらいなので、おそらく他の無名外資系企業も似たような水準の報酬を出すと思う。このくらいの報酬で人を探しても、なかなか思うように人材の獲得ができないので、IT系人材不足はかなり深刻である。

もしこの知識を持って僕が今の大学2年生くらいに戻れるのであれば、採るべき戦略は明快で、英語をしゃべる恐怖心を克服する程度に英語を頑張ること、日常的にコードを書く習慣をつけることである。給与は需給バランスで決まるので、少なくとも現在の東京ではこのくらいの能力の新卒エンジニアを探すことは非常に困難なので、初年度から1,000万円超えくらいの報酬を得たとしても分不相応ではない。