高度プロフェッショナル制度について

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好き放題書くエントリ第二弾です。

世間では定額働かせ放題と散々な評価の高度プロフェッショナル制度ですが、アメリカでは既に高度プロフェッショナル制度が普通と言っていいと思います。これを書いているのは日曜日ですが、日曜日でも会社のコミットログは飛んできます。別に土日まで《働かされている》わけではありません。私も気が向いたら土日にコードを書くこともあるし、平日に起きたら昼の12時だったみたいなこともあります。出社時間や退社時間の強い規定はありません。昼過ぎにノコノコ出社して、そのかわり8時くらいまで働くこともよくあります。ベイエリアは渋滞がひどいので、11時出社、8時退社くらいがちょうどいいのです。長く働いても残業代は出ませんが、短く働いても給料が安くなることはありません。都合が悪い時はリモートワークにしますと一報すれば特に咎められることもありません。なんなら1ヶ月くらいハワイから働きまっす、なんて言っても大丈夫です。パフォーマンスレビューで評価が下がることはあるかも知れませんが、期待されていることをやっていれば大丈夫です。俗に言う成果で評価されている結果です。

翻って、日本では定額働かせ放題とか、24時間働かせられるとかあれこれ言われています。私も日本で生まれ育ったのである程度は言い分もわかります。私も日本にいた頃は視野狭窄に陥っていましたが、あるとき国外に出て自分が如何に大変な状況にあるか外国人に伝えてみると、外国人にはあまりピンとこないのです。それもそのはずで、そういう状況に追い込んでいるのは自分自身だったからです。自縄自縛というやつです。これしか人生に正解はないみたいな思い込みをしている人をはたから見るとなんで悩んでいるかわからないものですが、外国人から見た日本人の悩みはそんなものだったりします。

日本の事情は理解しますが、それでもハッキリ言うのであれば子供の頃からの奴隷教育で社畜菌が脳髄まで感染しています。意気地なしに育てられていると言ってもいいかも知れません。ブラック企業を甘やかすからいくらでも足元を見てくるのです。24時間働かせられるなんてことが仮にあったら会社を辞めればいいし、みんな辞めていったらブラック企業は潰れます。あるブラック企業で残業代を請求しようとしたら同僚から「そんなことをしたら会社の経営が悪化してみんな路頭に迷うことになるぞ」と言われた話を聞いたことがあります。日本の労働者は江戸時代のお家制度を支える侍みたいなもので、個々人の生活よりも会社(お家)を存続させることを強く望む傾向にあります。末端の労働者なのに経営のことを心配するようになったら社畜です。

しかし現実では仕事をやめることは簡単ではありません。ある程度の蓄えがないと会社をやめるとすぐに生活に行き詰まります。生活保護を受ければいいかも知れないけど、生活保護は真に困っている人にはなぜかなかなか降りない仕組みになっています。ですから、ある程度お金があるとか、親に頼れるとか、そうした少しは恵まれた状況にないと金銭的に会社をやめることは困難です。また、日本は転職市場が発達していないので次の仕事が見つかる可能性もそんなに高くはありません。

平均的アメリカ人が、35歳までに行っていること

そして、30代で転職することを気にすることはない。平均的なアメリカ人は、35歳になるまでに、11の仕事を経験している。

何かの事件で被疑者が逮捕されると「職を転々とし」という表現をよく聞きますが、日本では仕事を変えるというのはダメ人間のやることのようなイメージがあります。1つ、2つならいいかも知れませんが、3つ以上転職経験があるとマイナスに見られて次が見つかりにくいかも知れません。

ともあれ、ブラック企業だったら辞めるにしても金銭面、あるいは転職市場の流動性の面で二の足を踏むのはわかります。ですから、今の日本に必要なことは高度プロフェッショナル制度を否定することではなくて、離職したあとのセーフティネット(自己都合退職であってもすぐに失業手当が受け取れるとか)の拡充と、転職市場の流動性を高めることです。そのためには解雇規制の緩和とか、新卒一括採用の廃止とか、こういうことは割と識者は言っているように思いますが、苦しめられている労働者に限って強く反対しています。自分の首を自分で締めている状態で、利敵行為ですらあります。日本の社会の一番の癌に対処せず、単に高度プロフェッショナル制度とか働き方改革に反対しているだけでは日本の労働者が報われる日は来ないのではないでしょうか。

ちなみに私が日本で働くとしたら無名の外資系企業を狙います。Googleとかゴールドマン・サックスとか超優秀な人しか採用されない企業だけが外資系企業ではありません。転職経験が多くても差別しなくて、自由な働き方ができて、割と給与が高いところは結構あります。