クレジットカードのコンシェルジュはなぜ電話なのか

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すこし年会費の高いクレジットカードにはコンシェルジュ機能がついていますが、ほとんどの場合はこれらは電話で依頼するようにできています。

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しかし、これはどうしようもなく使いにくいと思います。主な理由は次のとおりです。

最近の人にとって電話はスマホアプリの1つに過ぎません。昔は電話しか通信手段がなかったから仕方ないけど、未だにそれに拘っているのはクレジットカード会社の発想が古いまま固定しているように思います。

電話は不便です。例えば、声を出しにくい状況があります。会社にいるとか、電車の中にいるとか、街の雑踏の中にいるとか。電話をかけて正当なクレジットカードの保有者であることを確認するために、カード番号となんとかと生年月日をおっしゃって下さいとか聞かれて、それらに答えるだけで結構面倒です。メールか、あるいは専用アプリがあればすぐに済むことでも電話だと時間をかけないといけません。

結果がすぐに得られないこともあります。例えば、近くで車のパンクを出張修理してくれるところを探して下さいって頼んだとすると、おそらく調べるのに少し時間がかかります。このようなケースでは折り返し電話をしますと言われるのですが、その連絡を待っている間はいつでも電話に出られるようにしておく必要があります。メールとかテキストメッセージであれば、好きなときに確認することができます。こちらの現在地を伝えるのも大変です。わかりやすい場所にいればいいけど、見知らぬ土地の場合もあります。GPSが使えるコンシェルジュアプリならこんなことは起きないのに。

あとこれは個人的な理由ですが、下手な英語であれこれ頼んで、コンシェルジュの質問に答えるのは結構嫌なものです。静かな部屋ならいいけど、外でレストラン探しているときなんてノイズが多くて下手な英語がますます下手になります。

日本だとあまりないけど、アメリカだとちょっと田舎に行くと携帯が圏外のことはよくあります。データ通信であれば、一瞬電波拾っただけでも送受信できますが、通話でふがふが口頭認証して要件を伝えて返事を待つと計15分くらいは電波が安定していないといけません。

なんでも、ミレニアル世代(アメリカで2000年代の初頭に成年期を迎えた世代のことをいう)はクレジットカードマニアが多いらしいですが、本当でしょうか。クレジットカードのサービスというのは概ねスマホなんか使わない、通信手段と言ったら相手の都合は無視して自分の都合を押し付ける電話しかしらないような年寄り向けに作られているように思います。富裕層を対象にしたものも多いですが、一般に日本では年寄りは逃げ切り型の金持ちが多く、若者は非正規だったりブラック企業だったり条件の悪いところで疲弊しています。そうでなくても、年齢が上がるほど経済的には余裕が生まれるので、クレジットカード会社が主なターゲットにおっさんを据えるのはしかたのないことです。クレジットカード会社の想像する典型的な客層が、旅行や食事、ミュージカルみたいなものを楽しむ大人であるように、これは若い世代を対象にしたものではないのではないかと思います。

クレジットカード業界に限らず、銀行とかその辺の業界は古臭いところが多いです。暗証番号が4桁の数字とか、クレジットカードの番号が16桁の数字であるとか、セキュリティ的にガバガバ過ぎませんか?セキュリティ系の学会では160ビットのハッシュの強衝突耐性がどうのこうのってことで大騒ぎしているのに、4桁の数値ですよ。なんでも有効なクレジットカード番号を生成するプログラムもあるらしく、それで番号を生成して買い物をすると、どこかの誰かが不正請求を受けることになるわけです。こうした発想が1980年代から離れられない業界の人がコンシェルジュサービスを考えるから、不便なサービスを21世紀になっても継続しているのではないでしょうか。

そう考えると、アメリカのように若い会社がどんどん社会インフラを作る社会であれば、21世紀の金融サービスのようなものが生まれてもいいはずですが、何故か見当たりません。やはり参入障壁が高いのでしょうか?