レールから外れても人生終了にはならない

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最初に、コメントを読むのに時間を要してしまいましたが、平田さんのUCSCXについてのコメントにお返事を書きました。

さて本題。『「レールから外れたら人生終了」という日本に蔓延る神話が皆を不幸にしている』というまとめがありました。そういえば別件で大学中退しそうな匿名ダイアリーの記事も読みました。当事者にとっては現在経験している悩みは、それこそ生きるか死ぬかというほど重大に感じるかも知れませんが、実のところレールなんて外れても人生は終了しません。

ただし『「ひとり暮らしの40代が日本を滅ぼす」NHKが作ったAIの分析が冷たすぎる』のように、過去に上手く行かなかったことをそのまま40代まで引っ張ると苦しいと思います。自分には何ができて、何に向いていて、何をするなら楽しいかを考えて行動する力は必要になってきます。そういう意味ではレールに乗った人生のほうが楽ですが、そのレールも突然消えてしまうことがあるのが現代の日本ですから、早いうちに自力で生きる覚悟ができるほうがいいのかも知れませんね。

個人的にはレールから外れまくった学生生活を送りました。有名国公立大学の理系で修士まで行っているのに一つも日本企業に引っかかりませんでしたから、レールから外れたペナルティはそれなりに大きいのです。ただ、通常の採用とは別ルートで、比較的無名ではあるけど一応東証一部上場企業に潜り込み、2011年からリモートで働きつつ世界を転々として、アメリカに移住することを決めて現在に至ります。結果、生活コストや税金が日本と違うので一概には比較できませんが、割と高い収入と、ストックオプション(もしかしたら大化けするかもしれない)、ストレスフリーのホワイトな職場でやりたかった研究寄りのプログラムを書いて、私生活でもあれこれ新しいことを始めて楽しんでいます。

同じ高校の1つ下の後輩もレールから外れました。彼は大学を中退して自衛隊を経て、とあるブラック企業で働いています。今となっては全然生き方が違うので話もまるっきり合いませんし、むしろ彼と同じレールから外れた人間なのに上手いことやっている私のことを憎んでいるようにも見えます。彼の生き方は自罰的で、大学もまともに卒業できず、自衛隊でも幹部になれず、そんな自分だから辛い人生を送るのは当然の報いみたいな考えが見えます。彼は天才型で、要領よくなんでもそつなくこなすタイプではなかったのですが、間違いなく優秀なやつでした。彼ならば考え方一つでいかようにもいい人生は歩めるだけのポテンシャルは持っていたと思うのですが、レールから外れた自分には罰ゲームがふさわしいみたいな考え方をすると幸せにはなれないのでしょう。

私はその点ではものすごく楽観的で、自分なら何をやってもうまくいくような無根拠な自信があります。今の会社も大きくなると思うし、そうすると持っている株は大化けして何億円という豪邸ですら買えちゃうかもしれませんし、あるいはさっさと引退して旅に生きるような人生も可能かなと能天気なことを考えていますが、それが秘訣だったかなと思います。

ところで

「レールから外れたら人生終了」というような風潮や雰囲気を打破するための方法論として

①新卒一括採用の廃止
②ベーシックインカムの導入
③ニートや無職のインターン制導入

新卒一括採用を廃止にするより、解雇規制を撤廃するほうがいいでしょう。

解雇規制というのは不思議なもので、これを撤廃するというと多くの人が怒ります。怒る人には立場の弱い労働者や若い人が多いのが特徴で、つまり解雇規制があるから人生苦しいのに、その苦しい人生を作り出している解雇規制を守ろうとしているわけです。同時に、本当は自分を助けてくれるかも知れない改革者に石を投げているのが現状です。これは日本人に限らず、フランスのサルコジ政権でも同じような光景は見られました。地獄への道は善意で舗装されているってよく言われますけど、解雇規制もその地獄へ通ずる善意というわけです。私は弱い人の味方ですよって顔をしているやつが実は一番の敵だったりします。

例えば経済学的には、失業率の高さと経済成長率には相関があることが示されています。会社の状態が悪くなったらレイオフが簡単にできる社会は給与が上がりやすいのです。

解雇規制を撤廃すると人材の流動化が進み、楽観的に言うとクソなブラック企業からは人が逃げるし、本来は黒字を作れる優秀な従業員を何万人も閉じ込めて赤字を垂れ流している会社も潰れるし、その溢れ出た人材で日本がシリコンバレーみたいにイノベーションの中心地になります。なんだかんだ言って日本人は優秀な人が多いですからね。規制緩和から流動性が高まるまでは10年くらいはかかりそうですから、何らかのセーフティネットは欲しいところです。ベーシック・インカムなんかはいい政策でしょう。

でも全体的にこの方の言う「レールから外れたら人生終了」というような風潮や雰囲気を打破するための方法は社会の側に期待しているものが多いですが、そうなるためには10年、20年という歳月が必要ですし、そうすると20歳の若者も40歳のおっさんになってしまいますから、自分の力で何とかする方法を考えたほうがいいでしょう。日本大好きって人は日本で頑張る方法もあるだろうけど、私はアメリカに来て楽しくやっています。