トランプ政権でH-1Bビザの給与の下限が13万ドル(約1464万円)になる法案が出るらしい

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またしても周囲がざわざわしてきました。”India IT sector fears new US H-1B visa bill for skilled workers“という記事によりますと、H-1Bビザ保有者の最低給与を60,000ドルから130,000ドルに倍増することを提案する法案が米国下院に提出されたそうです。これはインドのアウトソーシング企業を狙い撃ちにしたものだとしていますが、それ以外の産業も影響を受けるのは間違いありません。

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給与の最低限が13万ドルになると、IT、金融、法律以外の分野ではH-1Bビザを出せなくなるかも知れません。現状ではH-1Bビザの発行上限を超えた場合には抽選が行われます。H-1Bビザの給与自体は一般的な給与(prevailing wage)を超えていることなので、給与の低い業種で平均的な賃金を得ている人がビザを得て、GoogleみたいなIT系大企業のビザ申請が抽選で落ちることもあります。ここは運次第です。

トランプ政権ではアメリカ第一が掲げられていて、H-1Bビザもまたアメリカ人の雇用を盗んでいるものとして批判されています。そのため、H-1Bの出願が多い場合は抽選ではなく給与の高い順に発行するという話です。さらにH-1Bの給与の最低限が引き上げられるとかなり苦しいことになります。

ビザの発行数は新規申請者に対して制限されています。既に持っている人は自由に転職できます。ですからH-1Bをこれから申請しようとしている人は多くの場合は学生です。中には「フリーランスを休業して就職します」のように即戦力の人がH-1Bビザを取ることもありますが、ほとんどの場合は学生ビザの特例OPTを経てH-1Bを申請するはずです。

H-1Bビザの申請は4月で、最近は4月1日に速攻で申請しないと締め切られてしまいます。しかし発行されるのが10月1日以降なので6ヶ月間は働くことができません。H-1Bビザは雇用されている人にしか発行できないはずです。また、アメリカの雇用習慣では日本のように内定を出してじゃあ来年の春からよろしくのようなことはせず、大抵はすぐ働き始めます。ですから、よほど欲しい人材でもない限り6ヶ月も待って雇用することはなく、また最近だと抽選ですから待っても運次第(25%以下)でしか入社できない人にはH-1Bビザを出しません。つまり、入社してH-1Bビザを申請してH-1Bビザが承認発行されるまでの間、他の何らかの形での就労許可が必要です。通常はこれをOPTという学生ビザの特例で埋めます。

ですから、H-1Bを新規に申請する人は主に学生に偏ります。新卒の学生に13万ドルの給与を払う会社がどのくらいあるかというと、かなりないのではないでしょうか。余談ですが私の周囲のシニアエンジニアの給与相場は15万ドルくらいです。シニアならありえます。ジュニアだと難しいかな。大手なら出すかもしれない、そういう感じです。

では私はどうするか、ですが、今の会社で13万ドルの給与は無理なので転職する必要があります。これは法案なのでおそらく実施されるまで2年くらい猶予があります。つまり2年以内に13万ドル以上の給与の会社に入ればいいので、それほど弱気になることもないかなといったところです。