「皆さんの会社は採用ミス」のような研修ってカルトの洗脳合宿かと思った

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少し前にブログのアクセス数が急に伸びたのでログを見たところ、特定の人物の名前で検索があったらしい。そしてその人物の名前で調べてみると過去に呆れるような社畜根性注入をしている人がいるとさらっと書いたのを思い出した。その人の名前なんて完全に忘れていたけど。

そして最近『「皆さんの会社は採用ミス」新入社員に厳しい叱責、過酷な研修に波紋広がる』という記事が話題になった。

朝の情報番組「あさチャン」(TBS系)が4月5日、企業の新人研修の取り組みを紹介。最近は新人研修を専門の会社に依頼するケース増えている」と説明した上で、株式会社心の代表取締役社長・足立裕志氏が請け負った12社合同の新人研修の様子を伝えた。

足立氏は研修初日、入社した会社の社長の名前や理念などを問う「会社テスト」なるものを実施。ほとんどの新入社員が回答できなかったことがわかると、「会社のことわかりません、社長わかりません、結構いたぞ。社長がわからないって。大丈夫か君ら。代表者、誰かわからないんでしょ。皆さんの会社は、一言で言ったら採用ミス」と新入社員たちを叱責。そのあまりの厳しさに、泣き出してしまった女性社員の様子も放映された。

よく見てみるとその暑苦しい人はまだ現役でやっているらしかった。現役でやっているということは、それまでの5年間この人には仕事があったということだ。会社名も変わっていない。人を罵倒して自尊心を打ち砕く仕事が数年にわたって続いていることに驚いた。日本は就活とかいう茶番で自己肯定感を潰しておいて入社後も自尊心ボロボロにするようなことが長いこと続いている。まるでカルト教団の洗脳合宿を見ているかのようだ。なんでも洗脳って睡眠とか食事とかを満足に与えず、散々罵倒して自尊心崩壊したところに何かすり込むのが定番らしい。

なお、このブログでは再三書いているけど、私は「就活」と就職活動全般は別のものとして扱っている。私の定義では就活というのは日本の就活屋が作り上げた人権無視上等の悪癖であって、就職活動の1つのジャンルに過ぎないと思っている(父親→男性だが、男性→父親とは限らないような感じで区別すべき)。例えば日本でも外資系企業を受けるときは就活ではない就職活動をすることになる場合が多いし、公務員試験もそうだろう。「アメリカで就活してきました」のような言い方は私の中では正しくない。アメリカに就活はない(あるかも知れないけど見たことはない)からだ。就活と就職活動を区別しないと、これから仕事を探そうという人に就活しないと仕事が見つからないという誤ったメッセージを与えることになる。理不尽に罵倒されても泣きながら耐えないと社会人になれないみたいな洗脳をするのは日本全体の雰囲気を暗くするのでやめてほしい。求職者も就活による採用活動をしている企業はボイコットしてほしいし、企業も就活屋に餌やるのはやめてほしい。残念ながら現状では就活を拒否すると受けられる会社の選択肢がかなり絞られてしまうのだが、伝聞によるとWantedlyのような新しい形の採用も少しずつ増えているそうだ。友人にWantedlyを使ってみたら?って勧めて1つの会社を訪問したらあまりの違いに驚いたという。しかしなぜかその友人は旧態依然とした会社を最終的に選んでしまってよく泣いている。

ついでに私のブラック企業の定義は法に抵触する企業のことである。多くの場合は労働法違反をしているのがブラック企業だが、中には業務そのものが違法という会社もあったりする。単に本人が気に入らないというだけでブラック企業という言い方をしていると、本当のブラック企業の経営者が最近の労働者はわがままであるような言い訳に逃げる余地を与えるが、ブラックかブラックではないかはもう少し客観的に説明がつくべきであると思う。そして、悪名高い講師に新人研修を依頼する会社はブラック企業だと思う。裁判所がまともなら訴えたら勝てるでしょ、これ。まさか部分社会の法理とか持ち出して逃げないよね?この講師に依頼する会社は裁判沙汰を起こしたら会社にいられないという弱みにつけ込んで不法行為に及んでいる。

とはいえ、私はそうやって大義のために戦って割り喰うのは嫌だったし、なにより時間の無駄なのでアメリカに来たのだけどね。

Wantedlyの話ついでに

しばらく日本の会社の状況を見ていないので誤った認識かも知れないけれど、日本でも最近シードファンディングのようなスタートアップ(ベンチャー企業)向けの資金調達法が増えているらしい。

シリコンバレー界隈の活気やアイディアの源泉の一つはファンディングにあると思っている。私の働いている会社では資金調達に苦労したのだが(ボスが言うにはハードの会社は難しいらしいけどそうなのか?)、友人とかなんかのイベントで会った人に話を聞くと、正直なところしょぼいなーってアイディアでも意外と投資は受けられている。それで投資家に利益があるのか疑問だけど、とにかく資金調達に成功している人は多い。まだ具体的なサービスを作ったわけでもないのにアイディア段階でお金が出た人もいる。ちょっと信じられないくらい。

私は日本の投資家というのは、誤解を恐れずに言うとギャンブラー扱いされていると思っていた。よく「投資家の分際で」みたいな言い方を聞いてきた。銀行様は基本は債権者で、会社が倒産したときにはできる限り資産をむしり取る権利がある。投資家は広義での社員であって、会社が倒産したら投資したお金は消える。そうした不利を負っているので投資家は会社の経営に参画することができる、というのはよく学校で習う話。しかし実際には日本の企業はそうなっていなかった。銀行はメインバンクということで経営にも口出しするし、投資家が過激な株主提案をしたらハゲタカだと叩かれたり、あるいは謎の理論で逮捕されたりしたものだ。MSCBのような仕組みや恣意的な第三者割当増資があり投資家は散々いじめられてきたと思う。日本の株なんて長期で持つものではなく、ちょっと売られすぎだなという時に拾って、会社がバカなことしでかす前に売り抜けるマネーゲームだとすら思っていた。

そんな国で投資家が会社を支えるなんて時代が来るとは思っていなかった。日本でビジネスをしようとしたら自己資金で何とかするか、あるいは銀行に頭を下げることになると思っていた。銀行は基本的に担保がないと貸さないらしく(元銀行員が言うには融資査定ソフトがあって条件入れるだけで人間が判断する余地はないとか、半沢直樹の世界よりも酷いんじゃない?)、これからビジネス始めますなんて人が銀行から融資を受けられる可能性は低かった。銀行から借り入れして事業に失敗すれば社長の個人資産まで担保に入れられていることが多く「銀行は晴れている日に傘を貸し、雨の日には取り上げる」ような扱いを受けることになる。従って日本はスタートアップの土壌がなく、就職と言えば既存の大企業に入ることだとみんな考えている(現在形)。

しかし日本人が全員ドMというわけでもなく、生産性が低くつまらない仕事で、それゆえ稼げないから人件費も低くサービス残業とか当たり前のブラック企業ばかり繁栄するのではなく、やはり面白い仕事をしたいという人も少なからずいる。そういう人が黎明期の資金確保がしやすくなれば当然スタートアップを作ろうという人も現れる。そうして高い志を持って会社を作った人が足立某みたいなのを講師に雇って社畜根性注入して喜ぶはずもなく、また就活みたいな茶番で優れた人材を採れるなんて思っていないから、古くさい会社とは一線を画する社風の会社になる。

そういう風通しがよくて居心地がよく生産性も高く意欲的な事業をしている会社がどこで求人するか?ハロワはないだろうし、リクナビもないだろう。なので仕事を探すときは就活屋と縁を切るのは大事なんじゃないかと思う。就活屋ではないところで仕事を探せば、もしかするとブラック企業の理屈に染まっていない会社に出会えるかも知れない。