「日常生活で役立たない経済学は不要」

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TwitterでこんなTLを見た。

まあ、これはその通りだと思う。

世間の議論を見ていると経済学についてほとんどの人はわかっていない。経済学というのは何か神からのご神託のように突然降ってきたものではなくて、時代時代によって色々な問題があって、それに対して人々がどのように解決策を見いだしてきたかという努力の結果である。だから、少々まどろっこしいようでも、経済学を学ぶときには単に理論だけ学ぶのではなく、経済学史という形でなぜそう考え、そうなったかということを理解する必要があると思う。

この本はそういう経済学を学びたい人に対してとてもよくまとまっている。もっと多くの人がこういう本を読んだ上で色々議論すればいいのに、基本的なことが何もわかってないであれこれ言っている。例えば最近だと2015年まで自動的に特例公債を通す法案ができちゃったが、赤字国債は財政法違反である。なぜそうなのかを理解しないで議論しているから、面倒くさいからまとめてやっちゃえとなる。あるいは、日銀に建設国債を引き受けさせるとか、日銀の独立性とかいうけど、これもなんでそうなっているかをほとんどの人が知らないであーだこーだ言っている感じがする。そして反論する側の白川総裁も(まさか知らないってことはないのだろうけど)報道を見る限り、日銀の独立性を尊重して欲しいとしか言わない。なんで日銀の独立性は尊重されなければならないのかということは一切説明しない。これじゃあ既得権益にしがみつく亡者と見られても仕方ないだろう。日銀総裁は見ているだけの簡単なお仕事で給料は法外に高く、さらに退任後はバラ色の天下り生活が待っているみたいな目で見られてしまうよ。

さて、一般の人の経済学に対してのイメージはどんなだろうか。まず、ほとんどの大学で入学の難易度は法学部の方が経済学部より高い。だから経済学部というと法学部に入れない人が行くところ的なイメージがないだろうか。この偏見は結構根強くて、卒業生でも何となく法学部卒の方が偉そうに見える。

大学の経済学部の教授を見ても、あるいは駐車場の車を見てもあまり羽振りが良さそうには見えない。いま青山学院大学にいる榊原教授って人はフェラーリを次から次へと買い換えているのだけど、この人みたいな人がたくさんいれば、動機は不純にしても経済学をやってみようかなと思うかも知れない。ただし経済学は金儲けの学問ではないけど、

スタンフォード大学の統計学PhD、宝くじで100万ドル以上を4回もゲット

宝くじを4回も的中させ、540万ドル、200万ドル、300万ドル、1000万ドルもの賞金を稼いだ63歳女性が話題になっている。この女性、Joan R. Ginther氏はスタンフォード大学で統計学教授を務めており、その知識を使って宝くじを的中させたのではないか、という話だ(Daily Mail)。

Ginther氏が的中させたのはスクラッチ式の宝くじで、毎回同じ販売店で購入をしていたそうだ。専門家はGinther氏が宝くじを的中させるための何らかのアルゴリズムを発見していたのでは、と分析しているが、実際スクラッチ式の宝くじを何らかのアルゴリズムで的中させることは可能なのだろうか? それとも、ただ運が良いだけ?

こういう話がもう少しあると学生の興味を引くかもね。

そして一番大きな誤解というか偏見は、経済学は何の役にも立たないということだろうか。例えば、ネットでは竹中平蔵はとても評判が悪い。いわく机上の空論を振りかざしてあれこれやって経済はちっとも好転しなかったどころか、経済の土台を無残なまでに砕いてしまった的な評価を多く見る。まあこれは誤解なんだけどね。小泉政権の中期から末期にかけては企業業績はとてもよく、学生も超売り手市場と言われて、有名大学の学生は受けたところ全部内定みたいなこともざらにあった。株価も堅調で、あちこちに100万円からはじめて数億円まで資産を増やしました的なカリスマトレーダーが出てきた(大半は景気が失速すると消えていった)。そういうと、あのときは世界的に景気がよかったみたいに言う人がいるけど、日経平均株価とNYダウを比較すると、日本の方がずっとパフォーマンスがいいのだから、世界的な景気以上に彼の経済政策は効果があったわけ。だから優れた経済政策を採れば経済はよくなる、少なくとも世界平均というベンチマークよりはよくすることができる。しかし、そのことを評価している人はあまり多くない。

『ライブ・経済学の歴史』では「日常生活で役立たない経済学は不要」ということを強く訴えている。確かに経済学というのは我々にとって有益なんだけど、そのことを正しく伝えていないものだから、なんとなく経済学者というと竹中平蔵みたいに巧言令色、金持ちを優遇して自分らだけが儲けようとしている悪い奴でしょ?とか、あとはなんだろう?森永さんみたいにうさんくさい当たらない占い師みたいな印象で見られている。結果的に人々は経済学を軽視して、それ何十年も前に通った道だよってことを、歴史を学ばないために同じことを繰り返して自分は賢いと思っていたりする。

まあ、そんなわけで経済学はもうちょっと営業活動をして経済学を学ぶ人を増やしたほうがいいと思う。特に大学入試あたりで理系も文系も必須科目にしてはどうか。その際に教科書も検定教科書ではなく、こういうまともな本・・・というのは無理だよなー。でも、今は世界史か日本史、地理選択が多くて政治経済とか倫理はほとんどの人は真面目にやっていないでしょう。これはとてもよくないことだと思うんだ。ろくに経済を知らない人が経済についてあーだこーだ言っている。

1 個のコメント

  • 経済学を学んでも、実際に役立たない。学者は責任をとらない。だいたい、人間の複雑な感情や行為が数式だけでわかるはずがない。需要と供給と言っても価格ばかり問題にして、職人技の品質などを何も論じていない。量より質が大切なのに。なんで、近代なのかもわからない。古代からいろいろな経済制度があり、現代と断絶しているわけではないのに。金融工学というのもあやしい。サイコロの目さえわからないのに株の予想なんてできないだろ。ミクロとマクロという名前も物理の量子力学と相対性理論からのぱくりみたいだ。絶対、一般社会でいきるなら法律や語学や文学や物理や化学を学んだ方が良いよ。経済を学ぶ時間はそれこそ不経済だから。

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