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ニートは職業ではない、生き方である

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ニート脱出について、その3

東大のPh.Dでは給料が貰えない

どうも早稲田大学とか私大に逃げると給料は貰えるようです。その手の人に有名な「博士への長いかもしれない道 2000年度版」には早稲田大学・大学院理工学研究科・情報科学専攻の場合について詳細に書いてあります。

とりあえず修士までは進学した方がいいが、博士は微妙という書き出しです。もちろん著者が博士号を持っているので、やめとけと暗に仄めかしておいて博士号の話が続いていくわけですが。

中退しようと修了しようと歳をとるので、企業から見ると、新人なのに扱いにくくかつ給料はとるということになってしまいます。修了したとしても、多くの企業 (例: NTT) は博士の採用をちょうど人が欲しい研究分野に限っており、決して選択肢が増えるわけでもありません。当然、修了までには学費もかかります。

これでは、ますます高学歴ニートに磨きがかかってしまいます。

早稲田大学在学中の収入

慢性金欠病のニートにはここが一番興味があります。

僕は助手の給料で3年間暮らしました。早稲田理工の場合、助手という職は、博士後期課程の学生が在学しつつ就くものです。助手の待遇は学生ひとりが暮らすには充分なもので、学費は免除、交通費も支給されます。さらには、個人研究費という研究費(40万円強/年)も付き、学内の特定課題研究費(40万円から)の申請資格、学振の科研費の申請資格もあります。研究費の他に、出張旅費(9万円)、海外出張補助費(11万円)も出ます。任期は2or3年ながら、(あくまで)一応、専任教員ということになっています。

(中略)

これが国公立大学だと、博士後期課程の学生が研究しつつ充分な収入を得るには、学振の特別研究員(20万円/月)に採用されるくらいしか方法がありません。これは5%以下の狭き門で、修士課程のうちに原著論文が査読に通っていることが必須だと言われています。僕は採用してもらえませんでした。助手の口があったのは、本当に幸いでした。

(中略)

学振 特別研究員 (DC1) 早稲田の助手
任期 3 年間 2 or 3 年間
収入 20 万円/月
(課税対象)
22 万円強/月 + ボーナス 3ヶ月分/年
(2年目以降の手取り額は 16万円強/月)
その他手当 - 学費免除, 通勤費
(免除は収入扱いで課税される)
研究費 科研費 90〜120 万円/年
額は申請書が審査されて決まる
個人研究費 40 万円強/年
学会出張補助費 9万円
海外学会出張補助費 11万円
特定課題と科研費の申請資格あり
義務 報告書 配属部署の仕事
奨学金 - 日本育英会 一種に応募可 (2000年度より)
(約 11 万円/月 の無利息貸与)
かつ、助手は免除職でもある

つまり東大には行かない方がいい?

この情報だけを読むと、東大のPh.Dは狭き門の学振しかなく、もし取れたとしても早稲田に比べて大したことがないということになります。しかし、学振まで課税対象というのは、国家というのは搾取ばかりで何もしてくれない組織なんですね。選挙でも医療とか福祉とか、そりゃ大事なのは分かるけど、街に溢れるワーキングプアにはまったく関心を持っていない様子。今の年金は若者が年配者を支える方式のため、若者が大量にワーキングプアを何とかしないで福祉とか年金とか冗談にしか聞こえません。

というか、もうね、国家全体がワーキングプア思想だと思うのですよ。ワーキングプアの人って貯蓄をしなかったり、消費者金融で気軽に遊興費を借りたり、その場しのぎというか自転車操業というか刹那主義とかそんな感じですが、国家運営を見ていると同じような感じがします。

一方で早稲田だと助手扱いで給料が22万円にボーナスまで付きます。無い内定どころか、ブラック企業に就職した人と比べても恵まれているほどです。

アメリカの理系大学院の場合

以前「ニート脱出について、その2」で調べたように、UCバークレイの学費はカリフォルニアに住んでいない人の場合は年間510万円にもなります。一方で少し調べてみると、学費を1セントたりとも払っている人は非常に稀だということがわかります。アメリカの大学院は無料で勉強させてくれて、給料まで貰えるというのです。

奨学金類は大雑把に分けて次の4種類あるそうです。

学費免除

その名の通り学費が免除されます。

Fellowship

いわゆる貰いっぱなしの奨学金で、あちこちが出しています。日本でも見かけるけど、募集人数が少ないので通るのは難しいそうです。それでも1年生の間は必ず貰える奨学金がある大学院もあるとか。

Research Assistantship(RA)

指導教員のパシリをして給料を貰うというものです。日本ではもうパシられるのは当たり前になっていて、それで給料が貰えるなんてアメリカって善人しか住んでいないのかと勘違いしそうです。

余談ですが、東大のように学部がしっかりしている大学(新領域は知らない)はいいのだけれど、某東○大の長○田キャンパスのように学部が付いておらず、外部からの学生ばかりで成り立っているところは、学生を無償の労働力としてしか考えていないところもあるようで、そういうところは本当にキツいらしいですね。知っているだけで5人はそういう酷い環境の犠牲者となっています。同じ東○大でも大○山は悪くないらしいけど。

ともあれ、パシリと言っても無関係のことをすることは稀で、ほとんどの場合は自分の勉強になることだといいます。これが「ニート脱出について、その2」でどなたかが言及していた週20時間の名目上労働でお金が入ってくるというシステムです。金持ち大学だと週40時間に増やして給料も倍ということもあるらしい。

お金の出所は教授が確保してきた研究資金だそうで、つまり教授がへちょいとあんまり貰えないかも知れません。

Teaching Assistantship(TA)

TAは日本でもよく聞く、授業のお手伝いをするものです。RAと違って英語ができないときついようです。簡単な授業を担当したり、実験の監督をしたり、宿題の採点をやったり、所定のオフィスアワーには部屋で待機しなければならないなどのノルマが課されます。

で、いくら貰えるの?

スタンフォード大学のページを探してみたら

http://www.stanford.edu/dept/chemistry/academic/grad/finaid.html

Financial support of graduate students is provided in the form of research assistantships, teaching assistantships, and fellowships. Historically, all graduate students in good standing have received full financial support (tuition and stipend) for the duration of their graduate studies at Stanford.

First-year students (except those with fellowships) usually receive teaching assistantships for three quarters, which provide a stipend plus full payment of tuition. Support in summer months and in succeeding years is typically provided through research assistantships or fellowships. First-year students for the 08-09 academic year will receive $29,588.

超訳:大学院の学生にはRA, TAおよびフェローシップが提供されます。今までの例を見ると、ちゃんとした成績を取っていれば、学費免除と奨学金を卒業まで貰い続けることができます。普通、1年生の75%はTAで必要経費に加えて授業料を払うに十分な額を貰うことになります。夏期と2年生以降は通常RAとフェローシップを受け取ります。1年生は約325万円を貰うでしょう。

325万円って学費免除の上ならそこいらの新卒社員より収入が多いことになりますね。学費が免除されないとしたら、もう少し稼がないとやっていけないことになります。なお「アメリカのリア充」で触れたように、アメリカではドミトリーに住むのが前提となっているような文化ですので、通常は学費には生活費や食費を含みます。そのほかに必要なコストは、教科書とかパソコンなどのツール、あとはちょっとした遊興費くらいで、年間50万円もあれば十分ではないでしょうか。

関連ページ(コピペ)

博士への長い道 東海大学連合大学院理工学研究科(課程博士)の場合 (2007年度)

2007年度現在、現在進行形。

博士号への道のり (2003年 3月合格)

D1 の終わり頃に起業した園田くんの波瀾万丈人生。

博士への長い道TM – 東京大学 計数工学専攻 (課程博士) の場合 (2002年度)

鏡慎吾さん。

後輩にとっては手続きとかスケジュール情報がありがたいのだろうけど、第三者としては雑感、先生とのやりとりなんかが面白い。

博士への道なき道 (2001年度)

網代さん による、必要な書類とその期限、各種イベントガイド。

学位取得(論文博士)への遠くて近き道のり (2000年度)

産総研 赤穂昭太郎さんのページ。

博士への長い道のり 慶應SFC2000年度編 (2000年度)

WIDE 人、大川惠子さん。

落第研究者の博士号取得物語 (1997年度)

NICT の滝澤修さん。

博士への長い道FAQ – 慶應大学理工学研究科の場合(1997年度版)

itojun さんのページ。進学前から読ませて頂いていました。

このページも itojun さんのページに触発されて書いたものです。

伊藤貴之さんの博士論文執筆スケジュール (1996年度)

早稲田理工の 電子通信学科で、課程外で学位をとられた方です。

博士論文体験記 Collection

飯田朝子さんのページ。

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