TPPについてニートの意見
交渉に参加すると色々変わってくると思うけど現状としては賛成。少なくとも自分にはメリットがあると期待できる。自分のためなら他の人はどうなってもいいのかよ、と言われるかも知れないが、経団連にせよ農協にせよ自分のエゴ丸出しで賛成だの反対だの言っているのだから、ニートの戯れ言くらい許されるよね?
ニートとして賛成というか、国外脱出に関心があるものとしては賛成と言った方がいい。
TPPの24分野
TPPには
- 主席交渉官協議
- 市場アクセス(工業)
- 市場アクセス(繊維・衣料品)
- 市場アクセス(農業)
- 原産地規制
- 貿易円滑化
- SPS
- TBT
- 貿易救済措置
- 政府調達
- 知的財産権
- 競争政策
- サービス(クロスボーダー)
- サービス(電気通信)
- サービス(一時入国)
- サービス(金融)
- サービス(e-commerce)
- 投資
- 環境
- 労働
- 制度的事項
- 紛争解決
- 協力
- 横断的事項特別部会
の24の分野がある。おいらの関心のあるのは20番目の労働についてである。
よくTPPの議論では「実質的に日米FTA」と矮小化して語られるけどとんでもない話だと思う。FTAはフリートレードアグリーメント(自由貿易協定)の略。FTAは物品の関税、その他の制限的な通商規則、サービス貿易等の障壁などの通商上の障壁を取り除く自由貿易地域の結成を目的とした協定である。主にネットで反対、反対って言っているのはこの辺。関税がなくなって農業が壊滅するとか、サービスが自由化されて貧乏人は医療を受けられなくなるぞとか。
日本でレールから外れた人は救済されるのか
よく12, 13卒は死亡とかネットに書いてあるけど、既卒になっても自殺したりしない限りその人はいなくならない。では、仮にうまくよい職を新卒の内にみつけることができずに既卒になってしまった人は人生で報われる日は来るのだろうか?あるケースを取り上げて「ほら、頑張ったらバイトから正社員に取り上げて貰った事例はあるよ。諦めずに頑張ることが大事なんだよ」とか言う人がいるけど、それはごく稀な幸運な人だけで、多くの人は報われていない。もっと上の年代で新卒でまともな仕事に就けなかった人を見ればいい。いま学校を出る段階で躓いてしまった人の10年後は目に見える形で日本に存在している。
あと正社員ならなんでもいいというわけでもない。名ばかり管理職ではないけど、正社員になったとたんに負担が増えて実入りが減ったなんて話もある。また、Aさんが22歳でよい職場に入って32歳になるまで10年間、よい仕事をしてキャリアを積み上げてきた一方で、Bさんはアルバイトとしてのキャリアしか積まずに32歳で正社員に登用されたとしても将来の可能性は大きく違うだろう。仮に努力が認められてすくい上げられたとしてもその溝は決して埋まらない。更に言うと、いわゆる面白い仕事はアルバイトから登用することはない。何でもいい、官僚でも総合商社でも好きな分野を想像して、そこの一線で活躍している人がアルバイト時代の努力が認められて登用されたということはないと思う。
日本の企業は20年以上ろくに対策を執らず、結果的に日本の内需が縮小する大きな要因の1つを作り上げてしまった。これから先は日本企業は心を入れ替えて社会的利益のためにがんばります、なんて誰が信じるだろうか。結局、自分の未来は自分で切り開くしかない。でも障害は少ない方がいい。その障害を破壊してくれるのがTPPというわけである。
シンガポールおよび9.11以降のアメリカ
よくTPPを日米FTAというが、それはとんでもないというのは書いた通り。もう一つ、日米と括ってしまうのがおかしい理由としてシンガポールの存在を忘れている。労働市場としてはアメリカは魅力的だけど、他にもいいところはある。シンガポールだ。
TPPには中国、韓国、台湾、インドが入っていないから意味がないというけど、おいらから見ると働きたい国が入っていれば十分で、シンガポールとアメリカが参加するのであれば意味がある。
アメリカへの移住
おそらくアメリカは9.11以降は移民をずいぶん制限してきた。偶然、先日『映像の20世紀』を見たのだが、その冒頭でアメリカに移民を希望する人の映像があった。ごく簡単な手続きでアメリカの永住権だったか市民権が得られた時代がある。でも今はそうではない。はっきり言ってアメリカへの移住は相当に難しい。
まずアメリカで就職しようとしてできなかった人はやまほどいる。F1ビザでアメリカの大学へいき、卒業後に就職しようとしても就労ビザが下りない人はたくさんいる。おいらはそこのところ恵まれていてソフトウェアエンジニアはH1-Bビザを採りやすいのだけど、マーケティングとか文系の専攻の人はだいたいビザの問題で帰国を余儀なくされている。
そのソフトウェアエンジニアですらアメリカへの移住は楽ではない。本気で頑張れば叶う程度で本気度が低ければとてもじゃないけど無理。永住権を持っている人は気楽だけど、そうでないと非常に面倒臭い。
先日なくなったスティーブジョブズの都市伝説でエレベータでたまたま乗り合わせた人に「おまえクビな」と言ったとか、ジョブズの前でプレゼンするときは戦場に赴く覚悟で行ったとか言うけど、シリコンバレーで働く人にとってクビなんてまったく恐れるものではないらしい。すぐに次の仕事はあるからね。でもそれは永住権を持っている人で、就労ビザの人には死活問題だ。仕事がなくなったらすぐに国外退去しなければならず次の仕事は見つからない。それでも温情のある会社は3ヶ月後にクビとか猶予をくれて、その間に転職すれば同業種にはH1-Bビザは移せる。またシリコンバレーはエンジニアにとっては温情ある会社が多い地域である。
永住権のあるなしはとても大きな話。でもTPPで労働が自由化されて日本人の就労が永住権保持者に近いレベルで緩和されたらどうだろうか?そこまでいかないにせよワーホリみたいに1年間の働ける期間を簡単な手続きで得られるとかそのくらいでも十分だ。TPPにその条項が盛り込まれるのであればそれだけでTPPを賛成するのに十分な理由になる。日本で人生詰んだ若者が大勢救われるだろうし、これから卒業を控える学生にも希望にもなる。新卒で就職できなくても別にいいじゃんと。
余談
例の師匠は自分が日本で就職するとして、いわゆる新卒の壁に阻まれたらどうするかということについて面白いことを言っている。履歴書を迷わず捏造するらしい。どうせバレてもクビ程度だし、バレなければ会社にいられるし、期待値はどう考えても0より小さくならない。というか3年後にバレてクビになっても3年分の職歴になるんだしいいじゃん、ととにかく前向き。
日本の閉塞感の原因は戦略のミスにあるという。《醜活》という馬鹿げたカルト教団の合同結婚式みたいなのにみんなで参加してそれしか道がないと信じている。既卒になったら合同結婚式すら参加できず途方に暮れる。戦略を変えればいいのに、としきりに言う。
TPPの労働に関する問題はきちんと議論されるのか
おいらが前に霞ヶ関でインターンをしていた頃の話。某省では明確なインターンシッププログラムがなく電話をかけて採用して下さいって感じで探した。それゆえ用意されたプログラムをやって政策立案ごっこになることなく、現場にうまいこと放り込まれて実務を体験することができた。実際にはお客さんとして色々連れて行って貰えるなど優遇して貰えたので本物の職員よりも恵まれていたかも知れない。
そこで担当した事柄がある国際会議の1テーマのさらに1テーマのさらに1テーマみたいな本当に微細なことについて丹念に調べることだった。その経験から言って24テーマ全てについて、どれ1つとってもお座なりになることはないはずだ。外から政府を見ると政治家とかがてきとーな口約束だけで回っているように見えるけど、実務レベルでは細かい仕事をきっちりやっている。仕事なのだから当然かも知れないけど、ろくに議論もされず「労働問題は誰も関心を持っていないし、まあ適当でいいでしょう」なんてことにはならないという安心感があるだけでもTPPの交渉に参加する意味はある。労働問題を担当する省庁の担当者はそれはそれは丹念にメリットを追求して頑張ってくれるであろう。
そのようなわけで、おいらはTPPには今のところ賛成の立場である。成り行き次第で反対になるかも知れないけど。
TPPってつまるところ外国人とか外国のサービスや産業と競争する意欲/能力のある人にはプラスで、ないから関税とか制度で守って欲しい人にはマイナスなのだろう。日本がTPPに参加することになるとしたら単に日本人というわけで(かつて)先進国の水準の贅沢な生活が得られて当然という人はひどい目に遭いそう。この構図はバブル期以前に入社したら一生安泰を求める、ネット民の言う老害と同じ発想なのでおいらは感心していない。先進国のメリットって単に給与水準が高いとかそれだけではなくて教育も優れていると思う。例えばトルコにいるけどトルコの教育水準は日本より低い。だからTPPで保護が外されても途上国の人よりは高いポテンシャルを持っているはずで、あとは本人の努力次第で結構よいところにいけるはず。
追記:船底に開いた穴
TPPの嫌らしいところは今まで日本経済を散々ダメにしてきた産業界が賛成しているところだ。日本を沈みゆく船だとすればTPPは救命ボート。日本人という枠に守られなくても外国人と互角以上に勝負できる人とか、一部の助かる人はそれで逃げて残りは見捨てようって感じかな。ところがそのボートを使おうって言っている本人は船底に穴を空けた人だ。これは心情的にはけしからん。
- 著者/訳者:ティモシー フェリス
- 出版社:青志社( 2007-09-21 )
- 単行本:255 ページ
- ISBN-10 : 490385311X
- ISBN-13 : 9784903853116
- 定価:¥ 1,470
- 著者/訳者:ティモシー・フェリス
- 出版社:青志社( 2011-02-03 )
- 単行本:640 ページ
- ISBN-10 : 4905042097
- ISBN-13 : 9784905042099
- 定価:¥ 1,995
- 著者/訳者:篠山 半太
- 出版社:PHP研究所( 2012-06-16 )
- 文庫:340 ページ
- ISBN-10 : 4569678467
- ISBN-13 : 9784569678467
- 定価:¥ 720



既卒が報われる日は来ないと思います。
仮にいま就職できても30代、40代で失業したときに再就職できるようなスキルが身に付くとは思えませんし。お金も貯まらないし。結局低賃金、長時間労働、金なし、スキルなしの負のスパイラルです。多分ろくな医療も受けられないと思います。
詰んだオワタ人生になってしまいます。
どっかの会社に就職しても、年喰って首になれば再就職先はまず見つからないでしょうし。こういう時代にかつての終身雇用制度の名残のような労働環境だけが残って
いるの会社とかは本当に厄介な存在だなと感じます。