英語学習の限界
- 21 6月, 2010 -
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Twitterでちょくちょく見かけるエントリ「死ぬほど英語を勉強してきたからわかる、英語学習の限界」がある。たとえば
http://twitter.com/haoka/status/16617132836
何が腹立たしい?何が屈辱?この人,自分の英語力過信してたんだろうなぁ RT @KeisukeHosoi: むっちゃ腹立たしい。僕はこういう屈辱には耐えられないのでアメリカに永住することはないでしょう。 http://bit.ly/bfQ3VS 死ぬほど英語を勉強してきたからわかる
というTweet。何が屈辱かというと、元エントリに長々と書いてある。簡単にいうと英語をたくさん勉強して自信のあった人が論文を書いて添削を受けたらチェックされまくって凹んだということだ。他にもアクセントの問題があるけど、これはあとに置いておく。
アメリカのエリート教育と日本の公教育の違い
おいらの見たところ、アメリカの教育はリベラルアーツにずいぶん比重がある。日本の教育とはかなり違う。
レイコ@チョート校 ―アメリカ東部名門プレップスクールの16歳 (集英社新書)
- 著者/訳者:岡崎 玲子
- 出版社:集英社( 2001-11-16 )
- 新書:220 ページ
- ISBN-10 : 4087201147
- ISBN-13 : 9784087201147
- 定価:¥ 735
例えば中学校の段階で実験レポートやそれに伴うエラー分析・議論(34ページ)をやるし、論文(もちろん英語)で書き始める(49ページ)。そのためのルールについては厳しく教えられる(52ページ)など。だから、英語力を除外しても、日本の平均的な大学生は論文を書くといった分野では中学生にも劣っていておかしくない。日本だと論文の書き方を教えないところもあるので、卒論でもガタガタな人は多い。
文章の書き方もきちんと習う(38ページ)。短期留学のおいらもWritingの授業はあったし、こうしたことを初等教育の段階から始めている人と、日本的な教育で英語を勉強してきた人が、アメリカ人の土俵で戦ったらそりゃあ不利になるのは当然だ。英語の参考書を200冊やったとしても、同じような訓練をしていないのならできなくても不思議はない。
おいらもつい最近までは完全に国内引きこもりで、英語もそんなに真面目にやっていたわけじゃないから、このエントリを書いた人よりも英語はずっとできないと思うのだけど、自分のことをクリリンと呼ぶような諦観はない。勉強すればできるようになると思っている。
できるようになるというのは、ネイティブになれるという意味ではない。また、英語って実はネイティブって意味がないのではないかと思う。日本語はやたらと方言に冷たく感じるが、英語はそうでもないように思う。まず、ネイティブの英語教師も複数人を同時に見ると発音が違う。自分の英語はボストンだとか、ロードアイランドだとか言っていたけど、英語にも地域差はある。さらにイギリスやオーストラリアはさらに違う。イギリスのクイーンズイングリッシュこそ本家と思う人もいるし、ニューヨークの英語が本物だと思う人もいるだろうけど、実のところどれも本物だし、さらに言えばインドとかの日本人からするとガタガタに聞こえる英語もやはり本物なのだ。
英語は日本語と違ってグローバルな言語としての地位を確立しているため、あんまり細かいことを気にしていても仕方がないし、文句を言う人も少ないと思う。英語の場合は何か1つのスタンダードがあり、そこに近づくほど偉いというものではないのだ。
アクセントが強すぎる問題
もう一つ気になるところがある。
ふたつめ。TA(ティーチングアシスタント)としての仕事の一貫として、学部生相手の授業を何コマか受け持つようになった。授業自体は問題なく進んでいた。しかし、学期末の学生による授業評価がかなりきつかった。学生は皆「あいつの英語はおかしい」「アクセントが強くて聴いているのが疲れる」「表現が稚拙で繰り返しが多すぎる」といった不満を述べてきた。「頑張ってるのは分かるけど、英語があれでは尊敬できない」とも書かれた。
日本人の英語の発音はしばしばアクセントがおかしい。位置が間違っているとかそういうことではなくて、何か聞いていて疲れる。
友人のホモは英語がよくできる。そいつと話していて気づいたのだが、アクセントとは何かと言ったら「強く発音すること」だと言っていた。おいらも日本でそう習った記憶がある。誰が言い始めたか知らないけど、一般的に言われている(と思う)。だからホモの英語はヒットラーの演説みたいに聞こえる。
↑ホモの演説
短期留学をした際のPronunciationの授業ではアクセントは「長く発音すること」と習った。これは目から鱗の経験だったけど、確かにネイティブの英語はありがちな日本人の発音のようにとげとげしくない。強くというのも嘘ではなく、長さの他に音量の大きさやピッチも関わってくるのだけど、とりあえずはアクセントのある母音を心持ち長く発音してやればOKだと思っている。
さて、件のエントリの著者が言われた「アクセントが強くて聴いているのが疲れる」はおそらくホモと同じような発音をしていたのではないかと思う。英語のネイティブに習ったというから修正されていてもいいんだけど、おいらも留学以前にネイティブの先生には何人か当たっているにもかかわらず、留学先のPronunciationの授業で初めて知ったわけだから、発音は後回しにされたのかも知れない。
ホモの英語力は高く、いわゆる日本のエリート教育の体現者である。だから、元エントリの著者の英語力を推察するには悪くないだろう。
最後に批判を書くと、表現が稚拙と言われるのは実は英語力はそう高くなかったのかも知れない。あと尊敬できないというのは、何か尊大な態度を取ったりしたのではないかと思う。
- 著者/訳者:ティモシー フェリス
- 出版社:青志社( 2007-09-21 )
- 単行本:255 ページ
- ISBN-10 : 490385311X
- ISBN-13 : 9784903853116
- 定価:¥ 1,470
- 著者/訳者:ティモシー・フェリス
- 出版社:青志社( 2011-02-03 )
- 単行本:640 ページ
- ISBN-10 : 4905042097
- ISBN-13 : 9784905042099
- 定価:¥ 1,995
- 著者/訳者:篠山 半太
- 出版社:PHP研究所( 2012-06-16 )
- 文庫:340 ページ
- ISBN-10 : 4569678467
- ISBN-13 : 9784569678467
- 定価:¥ 720



