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イランの選挙

Facebookという欧米で流行っているSNSで、イラン人の友人が「『Mir Hossein Mousavi میر حسین موسوی』のファンになりました」とあった(文字を選択してみて気づいたが、アラビア文字は右から書くんだった。試しにドラッグしてみるとローマアルファベットの部分は左から、途中から右から選択される)。

ムサビというのは、イランの選挙で改革派として出てきてアフマディネジャドに敗れた人。で、いまイランではブーイングの嵐だとかニュースで小耳に挟んだ。たぶん、以前だったら知識としては残り、試験で問われたら回答はできるんだろうけど、それ以上の関心を持つことはなかっただろう。でも、今は違う。

彼女はイラン人だが、あまりイランで生活したことはないらしい。おいらと知り合ったのはイスタンブールであった。よくわからないけどお父様がイランから出てきたらしく、彼女はうんと小さいときにイランにいただけか、あるいはトルコ生まれかも知れない。実際、彼女はイラン人にはあまり見えない。イランの女性はほとんどチャドルというフードをしている。トルコも同じイスラム国だがチャドルをしている人は比較的稀である。おいらの友人は全員チャドルをしていない。イラン人の彼女もそうである。というか、彼女はイラン人なのだろうか、という気もする。

チャドルを見ても、あるいはトルコにいることからもわかるように、どうも彼女は現在のイランの政情には否定的らしい。だからムサビ支持で、アフマディネジャドは支持しない。

他にも「『To World: Mousavi Is IRAN’s President, Please Don’t Recognize Ahmadinejad』というグループに参加しました」とあるから、政治的にノンポリが多い日本に比べてずいぶん熱心だと思う。ひょっとすると、政治的な理由で国外に出てきたかも知れないのだから、熱心でもおかしくはないんだけどね。

あと、トップ画がWHERE IS MY VOTE?になっている。彼女も国外から一票投じたのだろうか?

そんな、日本にいては比較的どーでもいいかも知れない問題(日本のご主人様のアメリカ様にとっては北朝鮮よりずっと重大な問題のようだが)が、トルコで友達を作って以来は身近に感じるようになった。世界は思いの外広くはないのだ。

追記

どちらかというと、おいらもアフマディネジャドというか、現在のイランの政治には否定的である。きちんと選挙が行われているようでありながら、ラフバルという最高指導者の都合でいくらでもインチキができる。で、この最高指導者はイスラムの聖職者が牛耳っている。つまり、この国は宗教国家であって、いわゆる共和国とはちょっと違う。

そんなわけで、彼女に便乗してムサビのファンクラブに入ったところ、Facebookのトップページがアラビア語だらけになってしまった。何て書いてあるか、まったくわかんない。文字すら読めない。。

追記2

選挙が民主的でないと、政治は腐るような先入観がおいらにはあるが、反例はたくさんある。実はイランも選挙システムは政教分離もへったくれもなく、ひどいものだけど、政治そのものは案外よい政治が行われているという。

シンガポールは(事実上の)一党独裁で、明るい中国みたいな国である。天安門事件とか金盾とかはないけど、やはり一党独裁、それなりに香ばしいところはある。それでも政治はうまく機能している。それにたいして日本は法制度は悪くないんだけど、政治はあまり機能していない。

トルクメニスタンという国は特に興味深い。ここは北朝鮮みたいな独裁国家であるが、やはり政治はそんなにひどくないそうだ。北朝鮮はかなり自己顕示欲の強い国であるから、何かにつけて国営放送などで発表をするのだけど、トルクメニスタンでは国営放送で音楽を流していたりして、ほとんど情報が出てこない。

トルクメニスタンは天然ガスが豊富に出るため、経済的には豊かである。政府による治安維持が行き届いているため、治安はとてもよい。さらに、独裁者の政策方針がユニークで、食料や日用品、住居等の物価が低く抑えられていて、教育、医療費、光熱費などが無料であるため数字以上に生活には余裕がある。失業率が30%を越えているそうだが、特に問題は起きていないらしい。国民のかなりの割合がニートの国家があったのだ。失業者と言っても、たぶんそんなに深刻ではなく働く必要がないのではないかと思う。

独裁者というと金正日みたいなのを想像してしまうが、教育まできちんと面倒を見る独裁者で、あんまり野心がないのかテポドン打ったり核兵器を欲しがったり変なことをしない。案外指導者もニート気質なのかも知れない。ぬくぬく幸せならいいじゃんと思っているのかどうか知らないけど、ガツガツしていない感じがする。

このように、国民の生活が充足するとかしないとかは、政治のシステムに必ずしもよらないのだ。ワープア・サビ残・社畜社会の日本を見ればよくわかる。で、イランの政治も政教分離ができていないからとか、教科書的な価値観で安易に断ずるのは軽率かも知れない。

イランはよくわからないけど、トルクメニスタンやシンガポールを見る限り、独占的に政治を動かしている人がそれなりに正義感を持っているんじゃないかと想像する。ノブレス・オブリージュというやつだろうか。日本が何故ダメかというと、職業政治家が小物ばっかりであるということによるのではないか。

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Posted By onaneetX.Q

One Response to “イランの選挙”

  1. 真性ニート より:

    植草教授のブログおもしろいですぉ

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